こんにちは!NIPPON TABERU TIMES、編集員の原口拓也です。皆さん、シェアスペースといえばどのようなものを想像しますか?最近、イベントの場所利用としてのレンタルスペース、働く場所を共有するコワーキングスペースなど、都市部を中心に一つの場所を共有するシェアスペースの需要が高まっています。
今回取材したのは、シェアスペース「ハッレ倭」を運営する倉田麻里(くらたまり)さん。ハッレ倭は、三重県の真ん中にある三重県津市白山町にありますが、そこは人口は約13,000人とそれほど大きな町ではありません。けれどこのシェアスペースには町の人がたくさん集まり、イベントやワークショップが連日行われています。少子高齢化が進み人もどんどん少なくなっている白山町。このような町でどうやって人を集め、どのような思いで運営に踏み切ったのか、うかがいました。
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※NIPPON TABERU TIMES(https://note.com/taberutimes)は、大学生が運営する「食のリアル」を伝えるWEBメディア。一次産業や地域には、都市生活では出会えない感動や、面白い「食のリアル」がたくさん存在しています。その魅力や楽しさを広め、1次産業・地域をより良い世界にしたいと考え、日々発信しています。日々自然と向き合っている生産者さんや地域の方だからこそ知る、食の現場の「発見」「ワクワク」「学び」を伝えます。今回の書き手は原口拓也さん。
▼倉田麻里さんのプロフィール
- 三重県津市白山町出身
- 京都大学大学院を卒業後、国際NGO団体の職員としてフィリピンのネグロス島でマングローブの植林活動を行う。
- フィリピンには9年間滞在。
- 滞在5年目に現在の旦那さんと出会う。
- 2017年に故郷である白山町に帰郷し、2019年にゲストハウス「イロンゴ」、2021年にシェアスペース「ハッレ倭」をオープンする。
▼シェアスペース「ハッレ倭」の基礎情報
昭和11年に一志郡倭(やまと)村の役場(現在の津市白山町)として建設された、木造二階建てのレトロな建物を、少子高齢化が進む地域再生の拠点として、再び人が集い『出会い』と『学び』が生まれる場所にするために『ハッレ倭』は誕生しました。引用(ハッレ倭ホームページよりhttps://halleyamato.com/)シェアスペースではイベントなどに利用できる部屋の貸し出し、セルフカフェなどとして使える交流スペース、コワーキングスペースがある。
レトロな建物で落ち着いた雰囲気があるシェアスペース「ハッレ倭」
地域の人々に新しい価値を提供したい
白山町は面積が110㎢に対して人口が13,000人と、人が多いとは言えない小さな町です。(※参考:東京都新宿区の人口は面積約11㎢に対して33万人)さらに、少子高齢化が進み人もどんどん少なくなっています。私はここの存在を聞いた時に、そのような町でシェアスペースを運営することは、ビジネスとして成り立つのだろうか?という疑問が湧きました。
「短期的な利益を考えたら、ここでシェアスペースをするのはビジネスとしては成り立たないと思います。そもそも、田舎だから勉強する場所などのスペースはみんな持っているんですよ(笑)だから、ただそこに来て勉強や仕事をするという需要はあまりありません。けれど、地域の人々が一つの場所に集い、一緒に作業をしたり、体を動かしたりするっているのはとても価値のあることだと思うんです。なので、そのような人と人が直接会って、繋がりを生むっていう価値を提供したい」
そう語る麻里さん。人口が少なくなっていくとどうしても、人が集まる場所や機会は少なくなってしまいます。今はまだ需要としては少ないかもしれない。しかし、そんな中でも新たな価値を提供するために麻里さんは人と人の出会いを産む場所を作り上げています。
ハッレ倭で人々が交流している様子
また、「ハッレ倭」では、子供の心身の発達度合いに応じて学習方法を変えるドイツ発祥のオルタナティブ教育の一つ「シュタイナー土曜教室」健康、文化、衣食住、農などのテーマについて学べる「学びフェア」映画を核に、人が集まり、学びを共有し、交流が深まるをコンセプトにした映画鑑賞会「ハッレ倭シネマ」その他にもスリランカ料理体験、ミネラル手作り味噌教室などさまざまなイベントが開催されています。
さまざまなイベントが企画されている
コロナで人と人がリアルで会う価値がより鮮明に
「コロナ禍で人と会うなって言われ続けてきたけれど、私は人と人がリアルで会うことってとっても価値があることだと思うんです。人と話したり笑ったり、みんなとご飯を食べるっていうことは心の健康を考える上でとても大事なことだと思います。家に引きこもっているより、外に出て、体を動かすことって大切ですよ」
このコロナの状況は行動が制限され、人と人がリアルで会うことがなかなか叶いませんでした。しかし、このような状況になってより、人と人が直接会って、同じ時間を共有することは、とても価値のあることだと気づいた人も多いはずです。
「シェアスペースから地域活性化の起爆剤にしたい」
現在ハッレ倭では地域の若い人やスキルを持った人々がシェアスペースを使い、様々なワークショップが開催されています。ただ、人が集まるだけでなく、地域の人々のスキルや知識を生かして住民同士で深いつながりが生まれています。この一つ一つの繋がりと交流の積み重ねが地域の活性化に繋がっていくのではないでしょうか。
「まだ、この場所の新たな価値を産むために種まきをしている状況ですが、このシェアスペースから地域活性化の起爆剤にしたい」
ふるさとを内側から元気にしていくという、大きな価値を提供するシェアスペース。今後、このシェアスペースから地域を盛り上げていく様々な取り組みが生まれるかもしれません。
シェアスペースでは麻里さんご夫婦の持つ畑で取れた季節の野菜や、フェアトレードのコーヒー、ハンドメイドアクセサリーなど、ユニークでかわいい商品が並べれられています。
麻里さんご夫婦で作られた彩り豊かな季節の野菜が並ぶ
これらの決済としてフェアトレードコイン(https://ftcoin.jp/about/)という通貨を使うことができます。フェアトレードコインは共感コミュニティ通貨eumoのコミュニティ通貨です。
ハッレ倭の店舗情報
- 住所
- 三重県津市白山町中ノ村138−4
- 取扱通貨
- フェアトレードコイン
- 店舗カテゴリ
- 実用・サービス
- アクセス
- 近鉄榊原温泉口からバスで3分(徒歩15分)、久居ICから20分
- 定休日
- 土・日は不定休(予約のみ)